保護者の方が「うちの子にもあるかも」と感じられるように、少しやわらかく、語りかける文体に整えました。
太字・箇条書き・改行を増やして、noteで読みやすい流れにしています。
「明日の学校、大丈夫かな……」
「失敗したらどうしよう」
「一人で行くのが怖い……」
子どもがそんなふうに不安を口にすると、保護者としては心配になりますよね。
「大丈夫だよ」
「怖くないよ」
「お母さんが一緒に行ってあげるからね」
そうやって、なんとか安心させてあげたくなるものだと思います。
わが子が不安そうにしている姿を見るのは、親にとってもつらいものです。
できることなら、不安の原因を取り除いて、安心して過ごせるようにしてあげたいですよね。
でも、ここには少し難しいところがあります。
「不安をなくしてあげること」が、いつでも子どものためになるとは限らないのです。
むしろ、周囲が一生懸命に不安を取り除こうとすることで、子どもの不安が長引いてしまうこともあります。
では、子どもの不安には、どんな関わり方がよいのでしょうか。
今回は、以下の文献を参考に、子どもの不安に対する
「NG対応」
「OK対応」
について考えてみたいと思います。
【参考文献】
不安とは?
そもそも、不安とはどのようなものでしょうか。
不安は、まだ起きていない未来について、
「大丈夫かな」
「失敗しないかな」
「怖いことが起きないかな」
と心配する気持ちです。
実は、不安そのものは悪いものではありません。
不安には、危険を予測して、自分を守る役割があります。
たとえば、
- 初めての場所で緊張する
- 発表の前にドキドキする
- テストの前に心配になる
- 新しい友達に話しかけるのが怖い
こうした反応は、多くの子どもに見られる自然なものです。
不安があるからこそ、準備をしたり、慎重に行動したりすることもできます。
ただし、不安が強くなりすぎると、子どもの行動を狭めてしまうことがあります。
「怖いから学校に行けない」
「失敗するくらいなら、やらないほうがいい」
「恥ずかしいから、人前では話したくない」
そんなふうに、不安によって「できること」や「やってみたいこと」が減ってしまうこともあります。
だからこそ大切なのは、不安をゼロにすることではなく、不安があっても少しずつ行動できる力を育てることなのです。
NG対応
回避的な対処をする
子どもが、
「学校に行くのが怖い」
「発表したくない」
「知らない人がいるところには行きたくない」
と言ったとき、「じゃあ、やめておこう」「今日は休もう」と、毎回不安を避ける方向へ対応することがあります。
もちろん、本当に疲れているときや、強いストレスがかかっているときには、休むことも大切です。
ただし、不安を感じるたびに避けることが習慣になってしまうと、不安がさらに強くなることがあります。
なぜでしょうか。
それは、
不安になる
→避ける
→その瞬間は楽になる
→「避ければ安心できる」と学習する
→次はもっと不安になる
という循環ができてしまうことがあるからです。
「怖かったけれど、やってみたら大丈夫だった」という経験が減ってしまうのですね。
子どもの心地よさを最優先する
「本人が嫌がっているなら、無理をさせないほうがいい」
そう思うのは、とても自然なことです。
子どもの気持ちを大切にすることは、とても重要です。
ただ、「本人が今、心地よいかどうか」だけを基準にしてしまうと、挑戦する機会まで失ってしまうことがあります。
たとえば、人前で話すのが苦手な子どもに、
「無理に発表しなくてもいいよ」
と毎回対応していると、その場では安心できるでしょう。
けれど、
「緊張したけれど、少し話せた」
「失敗したけれど、みんなは笑わなかった」
という経験は積みにくくなります。
子どもに必要なのは、いつでも安心できる環境だけではありません。
不安を感じながらでも、
「やってみたら、何とかできた」
「思ったほど怖くなかった」
という経験も必要なのです。
過度な先回りの支援
わが子が困らないように、親が先回りしてしまうこともありますよね。
たとえば、
- 忘れ物がないように毎回チェックする
- 友達とのトラブルを大人がすべて解決する
- 失敗しそうなことは、最初からやらせない
- 子どもが困る前に答えを教える
- 不安になりそうな場面を、できるだけ避ける
こうした支援がすべて悪いわけではありません。
子どもがまだ一人では難しいことを手伝うのは、とても大切です。
ただし、「大人がいないと大丈夫じゃない」という状態になっていないかは、ときどき振り返ってみたいところです。
先回りして守り続けるより、
「どうしたら自分でできそうかな?」
「まずはここまでやってみようか」
と、子ども自身が考える機会を残してあげることも大切です。
OK対応
不安を受け止め受け入れる
まず大切なのは、子どもの「怖い」という気持ちを否定しないことです。
「そんなの怖くないよ」
「考えすぎだよ」
「大丈夫だから気にしないで」
と、つい言いたくなりますよね。
でも、子どもにとっては、本当に怖いのです。
だからこそ、
「怖いんだね」
「失敗したらどうしようって思っているんだね」
と、その気持ちを受け止めてみましょう。
ここで大切なのは、「不安な気持ちを認めること」と「不安だから行動をやめること」は別だということです。
「怖いよね」と受け止めながら、
「それでも、できるところまでやってみようか」
と伝えることはできます。
不安を感じる自分を責めなくてもいい。
そして、不安を感じながらでも一歩進める。
そんな感覚を少しずつ育てていくことが大切です。
リスクを排除しすぎない
子どもが傷つかないように、できるだけ危険を取り除いてあげたい。
そう思うのが親心ですよね。
でも、人生からすべてのリスクをなくすことはできません。
むしろ、適度な失敗や困った経験は、子どもが自分で対処する力を育てる機会にもなります。
たとえば、
- 友達と小さな行き違いが起こる
- 自分で準備して、忘れ物をする
- 少し難しい課題に挑戦してみる
- 自分で先生に質問してみる
こうした経験も、長い目で見ると大切です。
もちろん、命や安全に関わる危険まで経験させる必要はありません。
大切なのは、
「守るべきリスク」と「経験してよいリスク」を見分けることです。
送り出す
子どもが不安そうにしていると、つい、
「今日は無理しなくてもいいよ」
と言いたくなるかもしれません。
でも、状況によっては、不安がなくなるのを待つのではなく、不安があっても一歩進んでみることが大切です。
たとえば、
「一人では難しそうだから、最初だけ一緒に行こうか」
「今日は玄関まで行ってみようか」
「教室に入るところまでやってみようか」
など、できそうなところから始めてみます。
最初から完璧にできなくても大丈夫です。
大切なのは、
「不安がある=できない」ではない
という経験を積み重ねることです。
見守る
そして、子どもが一歩踏み出したあとは、少しだけ「待つ」ことも大切です。
子どもが困っていると、すぐに助けてあげたくなりますよね。
でも、すぐに答えを出してしまうのではなく、
「どうしたらよさそうかな?」
「まずは自分でやってみる?」
と、少し待ってみることもできます。
その時間の中で、
「自分で考えてみた」
「自分でやってみた」
という感覚が生まれます。
見守ることは、何もしないことではありません。
必要なときにはすぐ助けられる場所にいながら、子どもが自分で考えたり、試したりする時間を保障することです。
暴露療法(エクスポージャー法)という考え方
不安への支援を考えるとき、心理療法の一つである**暴露療法(エクスポージャー法)**も参考になります。
暴露療法は、簡単にいうと、不安を感じる場面を完全に避けるのではなく、安全に配慮しながら少しずつ経験していく方法です。
もちろん、「いきなり怖いことをさせる」という意味ではありません。
たとえば、「学校が怖い」という子どもなら、
- まず学校の近くまで行ってみる
- 校門まで行ってみる
- 教室に少し入ってみる
- 短時間だけ過ごしてみる
- 少しずつ滞在時間を延ばしてみる
というように、子どもの状態に合わせて段階を作っていきます。
そして、
「怖かったけれど、やってみたね」
「最初はすごく緊張したけれど、ここまでできたね」
と、経験を一緒に振り返ります。
こうした積み重ねによって、
「不安があっても大丈夫かもしれない」
という感覚を育てていくのです。
ただし、不安がとても強い場合や、日常生活に大きな支障が出ている場合には、自己流で無理に進めるのではなく、児童精神科や心療内科、心理職などの専門家に相談することが大切です。
さいごに
子どもが不安そうにしていると、
「どうすれば安心させてあげられるんだろう」
と、親も一緒に悩んでしまいますよね。
「怖い思いをさせたくない」
「できるだけ苦労させたくない」
そんな気持ちは、決して間違いではありません。
でも、子どもの成長を長い目で見ると、不安を完全になくしてあげることだけが、最善の支援ではないこともあります。
大切なのは、
- 不安な気持ちを受け止める
- 必要以上に回避させない
- 小さな挑戦を応援する
- 必要なところでは支えながら、見守る
というバランスです。
そして、
「怖くても大丈夫」
「不安でも、少しならやってみられる」
という感覚を、少しずつ育てていきます。
子どもの不安をゼロにするのではなく、不安と一緒に前へ進む力を育てる。
それが、子どものこれからにつながる大切な支援になるのだと思います。
もちろん、すべての子どもに同じ方法が合うわけではありません。
子どもの性格や発達、これまでの経験、不安の強さによって、必要な支援は変わります。
だからこそ、
「どうしたら、この子が安心できるか」だけでなく、
「どうしたら、この子が不安を抱えながらも進めるか」
という視点も、ぜひ持っておきたいですね。
今日の「怖い」に寄り添いながら、
明日の「やってみよう」を応援していきましょう。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
【参考文献】


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