ACT(アクセプタンス&コミットメントセラピー)とは?その効果と実践方法

おすすめ本

誰しもが抱える共通の課題 → 『ストレス』『不安』

これらの問題に対処するために、心理療法の一つである
「アクセプタンス&コミットメントセラピー(ACT)」
が注目されています。
ACTは、認知行動療法(CBT)の一種であり
特にマインドフルネスと受容に焦点を当てています。
今回は、ACTの基本概念、その効果、実践方法について以下の文献を参考に解説していきます💪

【参考文献】

 ACTの基本概念

 ACTの目的

ACTの主な目的は、「心理的柔軟性」を高めることです。心理的柔軟性とは、自分の価値観に基づいた行動を取るために、現在の瞬間に注意を向け、内的な経験(思考や感情)に対して柔軟に対応する能力を指します。これにより、ストレスや不安を感じながらも、自分の人生にとって重要な行動を続けることが可能になります。


 ACTの六つのプロセス

ACTは、以下の六つのプロセスを通じて心理的柔軟性を高めます。

①受容(Acceptance)

不快な思考や感情をコントロールしようとせず、その存在を認めるプロセスです。

具体例
たとえば、プレゼンテーションの前に強い緊張や不安を感じたとき、その不安を「なくそう」とするのではなく、「今、自分は緊張しているんだな」とその感情を認めることで、緊張を自然なものとして受け入れます。


②認知的脱フュージョン(Cognitive Defusion

思考を現実そのものとして捉えず、思考を思考として観察するプロセスです。

具体例
「自分は失敗するに違いない」と考える代わりに、「自分は『失敗するかもしれない』という考えを持っている」と言い換えて、その思考を一歩引いて観察します。これにより、思考が現実とは異なるものであることを理解します。


③『今この瞬間』への注意(Contact with the Present Moment)

現在の瞬間に注意を集中し、今ここに意識を向けるプロセスです。

具体例
散歩中に考え事をするのではなく、周囲の音、風の感触、足元の感覚などに注意を向けます。これにより、今この瞬間の経験に完全に集中することができます。


④文脈としての自己(Self as Context)

自分の思考や感情とは異なる、変わらない「観察する自己」を認識するプロセスです。

具体例
「私は不安を感じている」という自分の内的な経験を観察し、その不安を感じている自分自身を見つめます。「不安を感じている自分」と「その不安を観察している自分」を区別することで、自己の一貫性を保ちます。


⑤価値(Values)

自分にとって重要な価値を明確にするプロセスです。

具体例
キャリアを大切にする価値観を持っている場合、「なぜこの仕事を選んだのか」「この仕事を通じて何を達成したいのか」を明確にし、その価値に基づいた目標を設定します。


⑥コミットされた行動(Committed Action)

自分の価値に基づいた行動を取るプロセスです。

具体例
健康を大切にする価値観を持っている場合、毎日の運動を習慣にする、バランスの取れた食事を取るといった具体的な行動を計画し、それを実行に移します。


ACTの効果

メンタルヘルスの改善

ACTは、うつ病、不安障害、強迫性障害(OCD)などのメンタルヘルスの問題に対して有効性が確認されています。
ACTを用いることで、患者は自分の内的な経験に対する対処方法を学び、症状の軽減や生活の質の向上が期待できます。

ストレス管理

ACTは、ストレス管理にも効果的です。仕事や人間関係、日常生活の中で生じるストレスを受け入れ、それに対して柔軟に対応することで、ストレスの影響を最小限に抑えることができます。

人生の満足度向上

ACTは、自分の価値観に基づいた行動を促進するため、自己実現や人生の満足度の向上にも寄与します。自分にとって本当に大切なことに焦点を当てることで、より充実した人生を送ることが可能になります。


ACTの実践方法

マインドフルネスの実践

ACTの基盤となるのはマインドフルネスです。マインドフルネスの実践は、瞑想、呼吸法、ヨガなどを通じて行います。これにより、現在の瞬間に注意を集中させ、内的な経験を受け入れる能力が向上します。

価値観の明確化

自分の価値観を明確にすることもACTの重要な要素です。自分にとって重要なことを書き出し、それに基づいて行動計画を立てます。例えば、「家族との時間を大切にする」や「健康を維持する」といった価値観を明確にすることで、それに基づいた行動を取りやすくなります。

認知的脱フュージョンの練習

認知的脱フュージョンの練習として、思考を観察する練習を行います。例えば、「私は失敗するかもしれない」という思考が浮かんだとき、それを単なる思考として捉え、「私は『失敗するかもしれない』という思考を持っている」と言い換えることで、思考と現実を分離することができます。

受容の練習

受容の練習として、不快な思考や感情をそのまま受け入れる練習を行います。例えば、不安を感じたときに、その不安を否定せずに、「私は今、不安を感じている」と認識し、その感情があることを受け入れます。


まとめ

ACT(アクセプタンス&コミットメントセラピー)は、心理的柔軟性を高めることで、ストレスや不安に対処し、より充実した人生を送るための有効な手法です。受容、認知的脱フュージョン、現在の瞬間への注意、自己としての文脈、価値、コミットされた行動という六つのプロセスを通じて、個人のメンタルヘルスの改善やストレス管理、人生の満足度向上に寄与します。日常生活においてACTの実践を取り入れることで、自分自身の価値観に基づいた充実した人生を目指してみてはいかがでしょうか。


最後までお読みいただき、ありがとうございました✨
いつも、記事を読んでくださり本当にありがとうございます。
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少しでも『ACT(アクセプタンス&コミットメントセラピー)』について興味を深めていただき、自分やお子さんの将来の職業や生き方について、少しでも参考になれば嬉しいです🌈
今後もできる限り有益な記事を書いていきますので、よろしくお願いします。

【参考文献】

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