10個の『ライフスキル』とは? 〜WHOが提唱する教育目標〜 &おすすめ書籍

おすすめ本

ライフスキルとは、

日々の生活で要求されたり、チャレンジしたりすることを上手に行う適応的かつ肯定的な行動に関する能力であり、社会の中で、自立的かつ生産的に生きていくために個人に準備されるスキル

WHO(2020)

ライフスキルは(大人も子どもも)より良く生きていくために欠かすことのできない力です。
今回はWHOが提唱する、育成したいライフスキル10項目について解説していきます。

ライフスキル 10項目

① 意思決定スキル
② 問題解決スキル
③ 批判的思考スキル
④ 創造的思考スキル
⑤ コミュニケーションスキル
⑥ 対人関係スキル
⑦ 自己認知スキル
⑧ 共感スキル
⑨ ストレスに関するコーピングスキル
⑩ 情報に関するコーピングスキル

WHO(2020)

WHOは、障害の有無に関わらず、ライフスキル教育の重要性を提唱しています。これらのスキルは独立していますが、それぞれ関連するものがあります。もう少し詳しく見ていきましょう。

①意思決定 ②問題解決スキル

このスキル領域は、
自分たちの人生に関する決定を建設的に取り扱うのに役立つスキルと
自分たちの人生の問題を建設的に取り扱うことを可能にするスキル
と言われています。

子どもたちは(大人もですが…)これからたくさん選択する場面(進路選択や就職活動など)に出会います。

進路の選択など、誰かの言われた通りにするだけでなく
自分の進みたい道、したいことを、夢をもち
選択肢それぞれのメリット・デメリットを把握した上で決定する力
自分の周りに発生した問題を受け止め、解決策を考え実行する力

大人はついつい意見し、誘導してしまったり
子どもが何か問題に当たった時、すぐに解決策をアドバイスしたりする
ことが多いのではないでしょうか。

子ども時代から、自分のことを自分で選択する経験や
問題を自分で解決する経験を積ませたい
と思います。
↑なかなか難しいですが…

例えばまず、小さな選択から

「遊びに行くなら、水族館・動物園どっちがいい?」
「なんで、水族館がいいの?」
「魚が好きだから」「イルカ見たいから」「雨でも行けるから」「涼しいから」など

ただ選択するだけではなく、なぜそれを選んだのか理由も答える習慣をつけると、説明のスキルも高められて、一石二鳥です。

なぜ良いと思ったのか
どんなメリット・デメリットがあるのか
その根拠は?など
社会に出て何かを分かりやすく説明やプレゼンをするときにも役に立つスキルだと思います。

③批判的思考④創造的思考スキル

いらすとやより引用

情報や自分の経験を客観的に分析するスキルと、
すでに知っている考えから新しい考えを創造するスキル
です。

批判的思考と言っても、ただ批判するのではなく、情報や過去の経験など根拠をもって客観的な分析ができる力が重要視されています。
また、すでに知っている考えから新しい考えを創造する過程は、
小・中学校の授業(特に理数科)で大切にされている観点でもあります。

⑤コミュニケーション ⑥対人関係スキル

私たちの文化や状況に合わせて、言葉やジェスチャーなどで自分自身を表現するスキル
また、相手とポジティブな関係を作るのに大切なスキルです。

この領域は、以前紹介しました、ソーシャルスキルと重なってくる部分が多いです。こちらの記事も参考にしてくださると嬉しいです。

https://note.com/embed/notes/n9d882ec3af11

⑦自己認知 ⑧共感スキル

イラストAC より引用

こちらの領域も、ソーシャルスキルと重なる部分があります。

自分自身の性格、強み弱み、得意不得意、夢などを把握するスキルは、教育現場では自己理解という言葉を用いることが多いです。
また、相手と自分との違いを認識しつつ、相手の思いを想像したり理解したりすることで、より良い人間関係を築いていくことができますね。

⑨ストレス ⑩情動に関するコーピングスキル

イラストAC より引用

コーピングスキルとは、あらゆるストレスに対応するスキルのことを言います。
自分の人生におけるストレスが、どのくらい影響を与えているか把握し、そのストレスレベルをコントロールするためにどのようなことを行えばいいか認識するスキルです。
簡単に言えば、自分のストレスを知り、ストレス発散や息抜きができるということです。
ストレスが溜まる一方では、いつかパンクしてしまい、充実した生活を送れなくなってしまいますね…

また、自分はどんなことに悲しくなったり、イラだったり、嬉しくなったりするのかを把握し、自分の情動を認識するスキルも、楽しく生活する上で重要な力です。

最後に、これらのライフスキルを高めるために参考になるおすすめ書籍を紹介します。

ライフスキルトレーニング おすすめ書籍

イラストでわかる発達が気になる子のライフスキルトレーニング:幼児期~学童期編

自閉っ子サンちゃんのライフスキルトレーニング: ハイタッチから広がるコミュニケーションの世界!

イラスト版 幼児期のライフスキルトレーニング: 気になるコミュニケーションと行動への対応

イラスト版小中学生のライフスキルトレーニング: 未来に向けて身につけたい家庭・学校・社会生活の基本

15歳までに始めたい! 発達障害の子のライフスキル・トレーニング (健康ライブラリー)

最後までご愛読いただき、ありがとうございました。
少しでも参考になれば嬉しいです。

【参考文献】
ライフスキル研修 | 現場で使える研修ならインソース

ライフスキル研修 インソースのライフスキル研修一覧です。「ライフスキル」とは、WHO(世界保健機関)が「日常的に起こる様々な問題や要求に対し www.insource.co.jp

子どもの発達障害とソーシャルスキルトレーニング

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