愛着障害への支援法 『愛着修復プログラム』

おすすめ本

愛着障害の子の支援をする際、良かれと思って愛着障害にしてはいけない対応
をしてしまい、余計に愛着障害を強めてしまうことがよく起こります。

そうならないために、
今回は、愛着障害を修復するための

してはいけない対応』 

適切な支援方法』

について、ご紹介します!

【参考文献】『愛着障害は何歳からでも修復できる 米沢好史 (合同出版)』

愛着障害の修復で『してはいけない対応』

① 本人に理由や気持ちを尋ねる

子どもが不適切な行動をした際
「どうしてこんなことをしたの?」
「どんな気持ちでしたの?」
と、本人に気持ちや理由を聴くこと

感情の障害を抱える愛着障害の子どもは、自分でも自分の気持ちがわからないことがあります。

② 叱る・追い詰める

いらすとやより引用

子どもの不適切な行動を、叱る・注意するだけ

愛着障害の子どもは、責められたと感じて自己防衛し、逆に相手を責めることもある。

③ 腫れ物にさわるような対応

何をしても叱らない、子どもの命令・支配に従うだけ

→愛着障害の子どもは、自己高揚が増大し、命令・支配がエスカレートする

④ 褒めればいい・甘えさせればいいという対応

いらすとやより引用

ひたすら褒める、甘えさせるだけ

→愛着障害の子どもは、愛着欲求行動がエスカレートしてしまう。

⑤ かかわる人の連携不足

支援者がそれぞれの思いで、勝手にかかわったり対応したりすること

→愛着障害の子どもは、「1対多」の状況では、誰とも安心感をもって関われない。
「特定の大人」を決め、「1対1」で関わることが必要

⑥ 受容・傾聴・向き合う対応

いらすとやより引用

子どもの要求を無条件に受け入れる、ひたすら傾聴する、相手の真正面に立ち位置を取り、子どもと向き合う

→愛情欲求行動や支配・命令がエスカレートしてしまう

⑦ 無視する・取り上げない

子どもが不適切な行動をした際、無視する、放っておく

→愛着障害の子どもは、愛情欲求が無視されたととらえ、余計に不適切な行動が増えてしまう。

愛着障害の修復へ『適切な支援方法』

① キーパーソンになるための周囲の連携体制

キーパーソンとは、子どもと絆を結ぶ「特定の人」→「愛着対象」になる人のことを言います。
一人でキーパーソンになろうとしてもなかなかなれません。周囲の連携が不可欠です。
キーパーソンになりそうな候補者を決め、子どもから関わりを求められたら「それは〇〇さん(キーパーソン候補)としよう」とキーパーソンに繋いでいきます。その場にキーパーソンがいなくても、後でキーパーソンに一緒に報告するなどして、すべての情報がキーパーソンに集約される体制をつくります。

「キーパーソンから始まり」
「キーパーソンで終わる」

支援が大切です。
うまく行きそうならそのまま続け、キーパーソンとの関係が難しそうなのであれば、変更も検討しましょう。

② キーパーソンの決定

愛着とは、「特定の人」と結ぶ絆であるという定義を踏まえ、その絆を結ぶ最初の相手である「愛着対象」→『キーパーソン』を決めましょう。

③ 感情のラベリング支援による感情学習

キーパーソンと1対1での一緒の活動を通して

同じ行動をし
同じことが起こったと認知
お互いに同じ気持ち(感情)になった

という体験を積み重ね、行動・認知・感情をくっつける活動、つまり感情学習行いましょう。

④ キーパーソンが主導権を握る「先手」の支援

叱る・褒める でうまくいかない理由の一つは 
「後手」の支援だからです。 
1対1の時間を確保して、しっかり関わっているのに余計に愛情欲求が強くなってしまう可能性があります。

関わる大人(主にキーパーソン)が「これしよう」と先手、主導権をとって、一緒に活動に誘うことが大切です。

主導権といっても、『子どもを支配する』のではなく、最初はその子どもの主体性を預かる意識を持つことが大切です。

⑤  主導権を握る「叱り方」

「〇〇してはダメ』は後手の正面否定です。そうならないために、こちらが先手で提案しましょう。

「走ってはダメ」の前に、「歩いていこうね」
「部屋に戻りなさい」よりも、「部屋で〇〇しよう」「ちょっと〇〇して欲しいんだけど」

そして、先手を取った行動ができた時には、褒めていい気持ち・感情になったことを確認しましょう。

まとめ

どんな支援も 行ったり戻ったり を繰り返し、お互いのより気持ち良い支援を作り上げることができます。うまくいったとき、いかなかったとき、それぞれの要因に目を向ける習慣をつけたいですね。

おまけ『褒め方クイズ』

最後に、今回参照させていただいた書籍『愛着障害は何歳からでも修復できる 米沢好史 (合同出版)』に紹介されている、『褒め方クイズ』です。

良い ← ◎・○・△・× → 良くないの4段階で考えてみましょう。

① (  )褒めて欲しいの?わかったよ〜えらいねぇ。
② (  )えらいねぇ(頑張ったねぇ)(嬉しいよ〜)
③ (  )しっかり歌ってたね。えらいねぇ。
④ (  )黙って座って漢字書いてたね。えらいねぇ。
⑤ (  )さっき、静かに座っていたね。えらかったねぇ。
⑥ (  )今、座っているね。えらいねぇ。
⑦(  )大きな声で歌えたね。大声出すとうれしくなるねぇ。
     これがやった!って思いだよ〜
⑧(  )立ってごらん!すぐに立ったね!えらいねぇ。
⑨(  )歌うの上手だねぇ。才能あるねぇ。
⑩(  )先生(お母さん)が見ていると座れるね。えらいねぇ。
     褒めてもらえると嬉しいねぇ。
11(  )プリント配るの速いねぇ。プリント配りの名人だと認めよう!
12 (  )最近、自分のしたいことを言えるようになってきたね。
     えらいねぇ。

『愛着障害は何歳からでも修復できる 米沢好史 (合同出版)』

正解は・・・

『愛着障害は何歳からでも修復できる 米沢好史 (合同出版)』を実際に手に取ってご覧ください。

最後までご愛読いただき、ありがとうございました。

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