トラウマインフォームドケア(TIC)とは?🍀4つのR🍀

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トラウマインフォームドケア(TIC)

子どもたちの心に深く関わる支援者の間で注目されています
トラウマの影響に気づき、理解し、配慮した関わり方を通じて、
再び傷つくことなく安心して過ごせる環境をつくる
アプローチです。

今回は、TICの基本概念である「4つのR」や
教育・福祉・心理・医療の各職種ができること
について、以下の文献を参考に一緒に考えていきましょう💪

【参考文献】



4つのRとは?

トラウマインフォームドケア(TIC)の基本的な枠組みとして、アメリカのSAMHSAが示した「4つのR」があります。
これは以下の4つの要素を指します:

  1. Realize(気づく)
  2. Recognize(見極める)
  3. Respond(対応する)
  4. Resist re-traumatization(再トラウマ化を防ぐ)

① Realize(気づく)

  • トラウマは、感情・行動・学習能力に長期的な影響を及ぼします。
  • 問題行動の背後に「適応行動」が隠れていることを理解することが大切です🍀

例:
授業中に突然机の下に隠れる → 家庭内暴力の記憶による防衛反応かもしれません。


② Recognize(見極める)

  • 一見「わがまま」「反抗的」に見える行動が、実はトラウマのサインであることも。

よくあるサイン:

  • 感情の爆発や急な沈黙
  • 人の顔色を過剰にうかがう
  • 物音や大きな声に敏感

③ Respond(対応する)

  • 子どもが「安全」と感じられる環境と信頼関係を大切にします。

具体的な対応:

  • 成功体験を積ませて自己肯定感を育てる
  • 感情が爆発したときは、静かなスペースに移動させてクールダウン
  • 「選ばせる」関わりで自律性を尊重

④ Resist Re-traumatization(再トラウマ化を防ぐ)

  • 叱責、無視、急な接触などが過去の記憶をフラッシュバックさせることもあります…💧

避けたい行動:

  • 強い口調や命令口調
  • 身体拘束や急な接触
  • 無理な課題の強制

教師ができること

学校は子どもが最も多くの時間を過ごす場であり、TICの実践が非常に効果的です。

教師の役割

  • 落ち着いた教室づくり
  • 一貫性と予測可能性のあるルール運用
  • スクールカウンセラー等との連携

教師向け 実践チェックリスト

✅ 環境は“安心できる空間”になっているか

✅ 感情の爆発にはまず落ち着ける場を提供しているか

✅ 小さな成功体験を積ませて自信を育んでいるか

✅ 声かけでは批判よりも共感を心がけているか


福祉士ができること

福祉の現場では、家庭や地域と子どもをつなぐ役割を担います。

実践のポイント

  • 初対面での否定は避け、信頼関係を第一に
  • 利用者本人が決定できる選択肢を提示
  • 必要に応じて医療や教育への橋渡し

チェックリスト

✅ 支援計画は本人の希望を反映しているか

✅  面談場所は安心できる空間か

✅ 感情の変化に即時対応できる仕組みがあるか


心理士ができること

心理士は、子どもが心の深い部分にある「傷」に気づき、癒す支援を行います。

支援の工夫

  • 無理に話させず、「話さない自由」も尊重
  • 安全な場で、表現的な手法(絵・遊び)を活用
  • 回復のペースをその子に合わせる

チェックリスト

✅ 面接の始めと終わりに同じルーティンを用いているか

✅  安全感を保証できる関係づくりを意識しているか

✅  フラッシュバックや解離への対応法を準備しているか


医師ができること

医療の場面では、身体症状や精神症状の背景にトラウマが関与していることがあります。

注意すべき症状例

  • 頭痛・腹痛・吐き気が続くが検査では異常なし
  • 不眠・夜驚症・強い不安
  • 過度な緊張・過呼吸・集団への拒否感

対応の工夫

  • 低い声でゆっくり話す
  • 診察や検査の説明は本人にもしっかり行う
  • 心理士・福祉職との密な連携を行う

チェックリスト

✅ 「本人の納得」を得る関わりをしているか

✅  過去のトラウマ経験を配慮した問診ができているか

✅  他職種と情報共有を定期的にしているか


まとめ:すべての関係者がTICの担い手

トラウマインフォームドケア(TIC)は、一部の専門職だけが行うものではありません。

どの職種であっても、「安心・尊重・共感」を基本姿勢として持つこと

が、すべての支援の土台となります。

  • 教師は教室で「安全な日常」を保障する存在
  • 福祉士は生活を支える「つなぎ手」
  • 心理士は「心の回復」を促す伴走者
  • 医師は身体と心のつながりを「医学的視点」で支える存在

子どもの言動の裏側に「何があったのか?

という問いをもち、再び傷つかない関わりを目指しましょう。


【参考文献】


最後までお読みいただき、ありがとうございました✨
いつも、記事を読んでくださり本当にありがとうございます🍀

この記事を読まれた方が、
少しでも『トラウマインフォームドケア』について興味を深めていただき、
少しでも参考になれば嬉しいです🌈

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