自分でもできる!『認知行動療法』とは?「トリプル・カラム法の活用」

おすすめ本

認知行動療法とは?

認知行動療法は、

私たちの「考え方(認知)」と「行動」

に注目し、それらを少しずつ整えることで、気持ちのつらさを軽くしていく心理療法です。

特徴としては、

  • 科学的な根拠に基づいた方法
  • 不安・落ち込み・イライラなど幅広い悩みに使える
  • 日常生活で自分でも取り組みやすい
  • 無理にポジティブになる必要がない

といった点があります。

たとえば

「人前で話すのが不安」

という場合、多くの人は

「失敗したらどうしよう…」

という考えが頭に浮かび、緊張が高まります。
認知行動療法では、

“頭に浮かんだ考え”(自動思考)

を丁寧に見直して、より現実的で柔らかい考え方に変えていくことで、不安を減らしていきます。

以下の文献を参考に、一緒にさらに詳しく学んでいきましょう💪

【参考文献】


自動思考とは?

「自動思考」とは、何か出来事が起きたときに一瞬で浮かぶ“心のつぶやき”のことです。
たとえば、友だちに送ったLINEの返信が遅いとき、

  • 「嫌われたかも」
  • 「忙しいのかな」
  • 「忘れてるだけかもしれない」

などさまざまな考えが頭にわきます。

実は、この“自動思考”が、その後の感情や行動に大きく影響します。
「嫌われたかも」という自動思考なら不安が強まり、「忙しいのかな」であれば気持ちは安定します。

つまり、

出来事

自動思考

感情

行動

という流れがセットで起きており、自分の自動思考に気づくことが、気持ちを整える第一歩になります。


認知の偏った自動思考10選

誰にでも起きる“思考のクセ”を10種類紹介します。
具体例も含めて紹介します!

「これ、自分かも😅」

と感じたら、認知の偏りがあるかもしれません…


① 0ー100思考(全か無か思考)

物事を「完全に良い」か「完全に悪い」に分けてしまう考え方

  • テストで一問間違えただけで「全部ダメだ」と落ち込む
  • 仕事で一度ミスしただけで「私は無能だ」と感じてしまう

グラデーションで物事を見るのが難しくなり、ストレスが増えやすい思考パターンです。


② 一般化のしすぎ

一度の失敗を、すべての場面に当てはめてしまう考え方

  • 一度プレゼンで失敗しただけで「私は話すのが苦手」と決めつける
  • 一回断られただけで「どうせ誰も私を好きにならない」と思う

事実よりも“拡大された結論”を信じてしまいやすい特徴があります。


③ 心のフィルター

起きた出来事の中で、悪い部分だけを拾い、良い部分を見落としてしまう状態

  • 9回褒められても、1回の注意だけが心に残る
  • 勉強で進んだところは無視して、できなかった部分だけに意識が向く

実際よりもネガティブな1日だったように感じやすくなるクセです。


④ マイナス化思考

良い出来事を「どうせ…」「たまたま…」と否定してしまう思考

  • 友だちに「ありがとう」と言われても「お世辞に決まってる」と受け取る
  • 成果が出ても「まぐれ」と片づけてしまう

自分の価値を感じにくくなる原因にもつながります。


⑤ 結論の飛躍(思い込み)

根拠がないのに、否定的な結論を出してしまう考え方

  • 同僚が挨拶しなかっただけで「嫌われているに違いない」と思う
  • 目が合っただけで「変に思われた」と決めつける

「証拠があるか?」を確認することが大切なタイプの認知のゆがみです。


⑥ 拡大解釈と過小評価

失敗を大きくし、成功を小さく扱う思考

  • 小さなミスを「大失敗」と感じてしまう
  • 褒められても「たいしたことじゃない」とすぐに否定する

心の中で“拡大・縮小レンズ”がゆがんで働いているイメージです。


⑦ 感情的決めつけ

理性ではなく、感情をもとに物事を判断してしまう思考

  • 不安だから「きっとうまくいかない」と判断する
  • 気分が落ちていると「私は価値がない」と感じる

“感情=事実”ではないという視点を持つことが重要なパターンです。


⑧ すべき思考(〜すべき)

自分に厳しいルールを課してしまう思考です。

  • 「完璧にすべき」「弱音を吐くべきじゃない」
  • 「人に迷惑をかけちゃいけない」と強く思い込みすぎる

ストレスや罪悪感を強めやすい傾向があります。


⑨ レッテル貼り

一つの特徴で自分や他人を定義してしまう考え方です。

  • ミスした自分に「私は無能」と決めつける
  • 一度遅刻した人に「だらしない人」とラベルを貼る

本来の複雑な人間像が単純化されすぎるため、心が苦しくなりやすい傾向があります。


⑩ 個人化

自分の責任ではないことまで「自分のせい」と抱え込んでしまう状態です。

  • 家族の機嫌が悪いと「私のせい?」と思ってしまう
  • チームの失敗を一人で背負いこんでしまう

責任の境界が曖昧になり、ストレスが大きくなるパターンです。


不合理な自動思考(推論の誤り)に気づくには?

自動思考は“クセ”として無意識で浮かんでくるため、まずは「気づく練習」が必要です。
次のポイントが役立ちます。

【 気づくための方法】

  • 気持ちが大きく揺れた瞬間に「今何を考えた?」と自分に質問する
  • 気になった場面をスマホにメモする
  • 思考の中に、10種類のゆがみが紛れていないか見直す
  • 友だちに同じことが起きたらどう声をかけるか想像する

例えば、友だちから返信が来ないとき、
「事実 → 返事がない」
「解釈 → 嫌われた?」
この2つを切り分けて考えると、気持ちが落ち着きやすくなります。


トリプル•カラム法で、思考パターンを変えてみよう!

トリプルカラム法は、
自動思考を書き出して整理→「適応的思考」に書き換える練習法です。
紙でもスマホでもOKなので、気軽に始められます。


① 自動思考

まず、瞬間的に浮かんだ考えを書き出します。

例:「会議でうまく話せなかった。私はダメだ」


② 認知のゆがみ

その考えがどのゆがみに当てはまるかチェックします。

  • 0ー100思考
  • レッテル貼り
  • 拡大解釈
    など複数当てはまってもOKです。

③ 適応的思考(より柔軟で現実的な考え方)

自分を責めない視点で、現実的で穏やかな考えに書き換えます。

例:

  • 「うまく話せなかった部分はあるけれど、全部がダメだったわけじゃない」
  • 「改善点はあるけれど、準備してきたことも活かせていた」
  • 「次に練習すればもっと話せるようになる可能性はある」

この“適応的思考”を重ねることで、心の柔軟性が高まり、不安や落ち込みが和らぎやすくなります。


まとめ

  • 認知行動療法は、考え方と行動を整えることで気持ちを軽くする方法
  • 自動思考は感情の元になっている心のつぶやき
  • 偏った思考のクセがあると、気分が落ち込みやすくなる
  • 10種類の認知のゆがみを知ることで、自分のパターンが見つけやすくなる
  • トリプルカラム法は、自分ひとりでも取り組める強力な方法
  • 適応的思考を育てることで、気持ちは確実にラクになっていく

認知行動療法は、特別な道具がなくても日常の中で始められる“心のトレーニング”です。
小さな一歩を積み重ねるだけで、心がより柔らかく、軽くなっていくと信じています✨

ぜひ、今日からできる範囲で取り入れてくださると嬉しいです😆


【参考文献】

最後までお読みいただき、ありがとうございました✨
いつも、記事を読んでくださり本当にありがとうございます🍀

この記事を読まれた方が、
少しでも『認知行動療法』について興味を深めていただき、
少しでも参考になれば嬉しいです🌈

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