解離性障害とは?
解離性障害(かいりせいしょうがい)は、心が大きなストレスにさらされたときに起こる病気です。
本来つながっているはずの
「記憶・気持ち・考え・感覚」がバラバラ
になってしまうのが特徴です。
たとえば…
- 自分の記憶がぬけ落ちる
- 自分の体が自分のものじゃない感じがする
- 現実が夢みたいに感じられる
こうした体験が長く続くと、学校生活や人間関係に大きな支障が出てしまいます。
今回は、『解離性障害』について、以下の文献を参考に一緒に学んでいきましょう💪
【参考文献】
どんな症状?
解離性障害には、いくつかのタイプがあります。代表的なものを紹介します。
- 解離性健忘:強いストレスの記憶を思い出せなくなる
- 解離性遁走(とんそう):突然どこかへ行き、新しい生活を始めてしまう
- 解離性同一性障害:複数の人格が交代で現れ、自分がわからなくなる
- 離人感・現実感消失症:自分や世界が現実じゃないように感じられる
具体例
- テスト前の強いストレスで、その日の出来事をまったく覚えていない
- 気づいたら知らない駅にいて、どうやって来たのか思い出せない
- 自分が話しているのに、まるで他人がしゃべっているように聞こえる
- 部屋に「誰かの影」がいるように見えて怖くなる(幻覚)
- 頭の中で声がして「責められている」と感じる(幻聴)
- 強い不安の中で、小さな子どものようにふるまってしまう(退行)
『解離』と『健常』の境界線
実は「解離そのもの」は誰にでも起こりうる体験です。
たとえば…
- 授業中にぼーっとして時間がすぎる
- 小説や映画に夢中になり、現実を忘れる
これは「正常な解離体験」であり、特に問題はありません。
しかし、
「記憶の抜け落ち」
「幻覚や幻聴」
「人格の交代」
などが繰り返し起こり、生活に支障が出る場合は病気と考えられます。

解離の原因とは?
解離性障害が起こる背景には、心に大きな傷を受ける体験があります。
特に多いのは…
- 幼少期の虐待やネグレクト
- 家庭内の暴力や過酷な体験
- 強いストレスや人間関係のトラブル
子どもの頃に心を守るために「解離」という方法を使い
それが大人になっても残ってしまうことがあります。
関連する心の病気とは?
解離性障害は、ほかの心の病気と一緒に起こることも少なくありません。
- PTSD:つらい体験がよみがえる病気
- うつ病・不安障害:気分の落ち込みや強い不安が重なる
- 境界性パーソナリティ障害:感情の起伏とともに解離症状が出る
- 摂食障害や依存症:一緒に見られることがある
診断するときは、こうした関連疾患もあわせて考える必要があります。
具体的な精神療法とは?
解離性障害の治療は、薬よりも「心のケア」が中心です。
代表的な方法は…
- 認知行動療法:考え方のクセを見直して、不安をやわらげる
- トラウマを扱う療法:過去のつらい体験を安全な環境で整理する
- EMDR:目の動きを使ってトラウマの記憶を処理する方法
- カウンセリング:安心できる関係の中で、自分を見つめ直す
時間はかかりますが、「安心できる場で、少しずつ」が大切です。
具体的な薬物療法とは?
薬は解離を直接なおすものではありません。
でも、不安やうつ、眠れないなどの症状を和らげるために使います。
代表的な薬と特徴は以下のとおりです。
- 抗うつ薬(SSRI:セルトラリンなど)
- 効能:気分の落ち込みや不安を改善する
- 副作用:吐き気、頭痛、眠気など
- 抗不安薬(ベンゾジアゼピン系:ロラゼパムなど)
- 効能:強い不安や緊張を一時的にやわらげる
- 副作用:眠気、集中力低下、依存性があるため注意
- 睡眠薬(ゾルピデムなど)
- 効能:寝つきが悪いときの短期的なサポート
- 副作用:翌日の眠気やふらつき
- 抗精神病薬(リスペリドンなど)
- 効能:解離性同一性障害で不安定な気分や幻覚を和らげる
- 副作用:体のこわばり、体重増加、眠気
薬はあくまで「サポート役」で、精神療法とあわせて使うのが重要です。
支援の方法とは?
治療だけでなく、周囲の支えがとても大切です。
- 家族や友人が病気について知る
- 「病気のせい」と理解して、本人を責めない
- 学校や職場ではストレスを減らす工夫をする
- 地域の相談機関やピアサポートを利用する
「否定せずに受け止めること」が、本人の安心感につながります。
本人が『治したい』
と本気で思えるような環境づくりを行うことが
回復への近道です🍀
まとめ
- 解離性障害は「心がバラバラになる」病気
- 記憶がぬける、幻聴や幻覚がある、人が変わったようになることもある
- 背景にはトラウマや強いストレスが関わる
- 治療は精神療法が中心で、薬は補助的に使う
- 周囲の理解と支援が、回復にとってとても重要
解離性障害を知ることは、つらい体験をした人に優しく関わる第一歩です。
少しでも解離性障害に悩む当事者の方や
支援者の方の参考になれば幸いです✨
【参考文献】
最後までお読みいただき、ありがとうございました✨
いつも、記事を読んでくださり本当にありがとうございます🍀
この記事を読まれた方が、
少しでも『解離性障害』について興味を深めていただき、
少しでも参考になれば嬉しいです🌈
今後もできる限り有益な記事を書いていきますので
よろしくお願いします。
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