◆愛着とは?
愛着とは、子どもが「この人と一緒なら安心できる」と感じられる情緒的なつながりのことです。
愛着の対象は親だけとは限らず、先生・祖父母・支援者など、子どもが「守ってくれる」「わかろうとしてくれる」と感じられる人なら誰でもその存在になれます。
愛着形成の難しいところは、
答えがないことだと思います。
兄弟で同じ関わりをしているはずなのに
うまくいかない
兄弟がいる家庭ではよくあることではないでしょうか。
愛着は、子どもの性格や特性に応じた関わりをすることで形成されていくと考えています。
愛着形成に正解はありませんが
不正解はあります。
今回は、以下の文献を参考に、愛着の形成や修復のポイントについて一緒に学んでいきましょう💪
不正解の対応を避けるよう心がけることが
よい愛着形成に役にたつと信じています✨
【参考文献】
◆愛着は3つの“基地”からできている
愛着は、子どもの心を育てるために欠かせない3つの役割を担っています。
- 安全基地:怖い・不安なときに守ってもらえる感覚
- 安心基地:一緒にいると落ち着き、楽しくホッとできる感覚
- 探索基地:戻れる場所があるからこそ、挑戦する勇気が生まれる感覚
この3つがそろうことで、子どもは「守られている安心感」と「挑戦する力」を同時に発達させていきます。
◆愛着の課題は行動として表れる
愛着の問題は、言葉よりも行動として表れます。
- 注意されても謝れない
- 満足できず、要求が止まらない
- 「どうせ無理」と最初から挑戦しない
これらは“困らせたいから”ではなく、心の中の不安をうまく言葉にできず、行動で訴えている状態です。
裏側にはいつも
「信じたい」「守ってほしい」「大切にされたい」
という思いがあります。
◆よく見られる3つの特徴
① 愛情欲求の強さ
注目されたいあまりに、あえていたずらをしたり、人の反応を試す行動へつながることがあります。
② 自己防衛の強さ
間違いを指摘されると、責められた・見捨てられたと感じ、相手のせいにしてしまうことがあります。
③ 自己評価の低さ
「どうせできない」「生まれてこなければよかった」などの強い自己否定に発展することもあります。
逆に自己評価の低さを隠すため、人を見下したり、攻撃的になるケースもあります。
◆発達障害との違い
行動だけを見ると、発達障害(ASD・ADHDなど)と似て見えることがあります。
しかし背景は異なり、
- 発達障害 → 脳の特性
- 愛着障害 → 関係性の不安定さ
が根本にあります。
併存している場合も多いため、医療・心理・教育の連携が欠かせません。
◆してはいけない対応
以下の対応は、愛着の課題を抱える子どもにとって逆効果になることがあります。
- 「どうしてしたの?」と理由をしつこく尋ねる
- 叱って追い詰める
- 腫れ物に触るように言いなりになる
- とにかく褒めればよい、甘やかせばよいという短絡的な対応
- 支援者同士で対応がバラバラ
子ども自身も「どうしてこんな行動になってしまうのか」を言語化できないことが多いのです。
◆愛着は“回復できる”
ここがとても大切なポイントです。
✨ 愛着障害は「修復できる」ものです ✨
脳は人との関係のなかで変化し、
感情の土台は“大人との安定した関わり”の積み重ねによって回復していきます。
必要なのは、完璧な大人ではありません。
・見捨てないこと
・予測できる関わりを続けること
・失敗しても戻れる居場所があること
この繰り返しが、子どもに安心と信頼を取り戻します。
◆支援の中心となる「キーパーソン」
愛着の回復には、子どもが
「この人なら大丈夫」「ここに戻ってこれる」
と思える人の存在が不可欠です。
キーパーソンは決して“甘やかす人”ではなく、
安心 → 指導 → 安心
というサイクルを一貫して続けてくれる人です。
そして周囲のチームは、
✔ キーパーソンへの情報共有
✔ 対応の統一
✔ 子どもの成功体験の共有
によって、その関係を支えていくことが大切です。
◆まとめ
- 愛着は「安心・信頼・挑戦」を支える情緒の土台
- 行動の裏側には「守ってほしい」「信じたい」という願いがある
- 発達障害と混同しやすいが背景が異なる
- 間違った対応は不安を悪化させる
- 何より、愛着障害は修復できる
愛着は「関係の中で」育ち、「関係の中で」回復していきます。
大人が子どもの“戻ってこられる場所”になれるかどうかが、支援の要になります。
【参考文献】
最後までお読みいただき、ありがとうございました✨
いつも、記事を読んでくださり本当にありがとうございます🍀
この記事を読まれた方が、
少しでも『愛着』について興味を深めていただき、
少しでも参考になれば嬉しいです🌈


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