『話したいのに話せない…』場面緘黙とは?

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場面緘黙とは

『話したいのに一部の場面や人の前で話せない』

状態を指します。
これは緊張や不安が高く、話すことが難しい状態です。
(我が子がそうです…家ではうるさいくらい喋りますw w)

より緊張や不安が高い場合、
『動きたくても動けない(緘動)』
つまり、固まる状態になる子もいます。

人類が進化の過程で獲得してきた危機感知能力が人一倍強く
緊張や不安を人一倍感じてしまい
話したいと思っても、体が防衛反応を起こし
言葉を発しない(動かない)ことで、不安を解消しようとしている
と考えられています。


アメリカの精神医学界により刊行された
『精神障害の診断と統計マニュアル(DSM-5)』
によると、場面緘黙症は、不安症の一つに分類されています。


家庭では普通に話せる子でも、学校や特定の場面では全く話せないことがあります。
これは「恥ずかしがり」や「内気」とは異なり、医学的にも支援が必要な状態です。
育て方によるものではなく、「緊張や不安の感じやすさ」によるものです。


例えば、家では元気に話すけれど、学校では一言も発しない(我が子もそうです…)
また、特定の友人の前では話すけれど、大勢の中では黙り込んでしまう場合もあります。
この状態が続くと、生活や学習に大きな影響を与える可能性があります…


今回は、以下の文献を参考に、『場面緘黙』の子へのよくない対応から、親や学校・園ができることを一緒に考えていきましょう💪

【参考文献】


場面緘黙の子への親のよくない対応

良い支援方法を考える前に、まずは辞めたい親の言動を一緒に考えていきましょう🍀
親が知らずにしてしまう対応が、子どもをさらに追い詰めてしまうことがあります。

① 親が代弁する

子どもがいろんな場面で、答えようとしないとき、親が代弁してしまう対応を繰り返していると、子は「話さなくても親がなんとかしてくれる」と学んでしまい、より話そうとしなくなってしまいます。
子どもができそうな返答(頷き・会釈・筆談・メール・指差し・電話など)を一緒に考えて
比較的安心できる友達や親戚などに対して
実行し、小さな成功体験を積み重ねることが重要です。

② 親が先回りする

例えば、
明日は学校の日直でスピーチをしなければならない
という場面で
親が、学校にスピーチは免除してもらうようにお願いする
などの先回りの支援をする。

我が子を心配する親御さんとして、お子さんの不安を最大限取り除いてあげたいという気持ちはとてもよくわかるのですが、この場合も、
子どもは「親が自分の不安を取り除いてくれる」と学んでしまい、
自ら行動する機会を失ってしまいます。

・スピーチ原稿を書いて先生に読んでもらうように頼む
・家で録音したスピーチを教室で流してもらう
・スピーチの代わりに、書いたものを一定時間掲示してもらう

など子どもと一緒に、できそうな対応策を考えて実行することで、
自己肯定感の向上を図ることが大切です🍀

③ 「どうして話せないの?」叱責する

  • 「どうしてみんなの前で話せないの?」
  • 「いつになったらちゃんと話せるようになるの?」
  • 「そんなに恥ずかしがってたら、友達ができないよ。」
  • 「先生にも話さないと、勉強が遅れるよ。」
  • 「勇気を出せば話せるよ、頑張りなさい。」

こうした言葉は、子どもの不安を増幅させ、緘黙の状態を悪化させる可能性があります。
無理に話させようとしたり、他の子どもと比較することは百害あって一利なしです💧

④ そのうち自然に話せるようになると信じて待つ

成長とともに、何かをきっかけに話せるようになる子も確かにいます。

一方、何も支援されないまま、話せないことで失敗やストレスが積もり
ニ次障害として引きこもりや鬱などの症状が生じる恐れもあります。

場面緘黙は、早期発見、早期対応が大切です
スモールスモールステップで自分でできた経験をコツコツ積み重ね
自信をつけていくことが大切です。

では、どんな対応を心がけると良いのか考えていきましょう🍀


場面緘黙の子に親ができること

親ができることは、


子どもの心の負担を減らすこと

少ない負担感で、チャレンジできる機会を作ること

安心できる環境を作ることです。

🍀スモールスモールステップ

 面と向かって相手に言葉で思いを伝えるのは、最終段階です。
その前に、

頷き
・会釈
・指差し
・絵カード
・筆談
・メール
・電話

など、少し努力すればできそうなステップを設定してあげることが重要です。
小さな成功体験の積み重ねは、大きな自信になります💪

🍀不安のレベルを数値化


 文頭の書籍には、不安レベルを数値化し、

・家で
・地域で
・学校で
・どんな人に
・どんな時に
・どんな場面で

不安を感じているのか、数値化することが紹介されています。

不安のレベルを数値化することで、

少し不安だけれど頑張れば(親と一緒なら)できる行動』

に焦点を当てやすくなり
具体的な行動目標が設定しやすくなります

🍀今できている行動に目をむける

小さな一歩でも

「今日は会釈できたね」
「頷くことができたね」

と今できている行動に目を向けて、認めて褒めることで、子どもの自尊感情を育んでいきましょう💪

🍀 安定した家庭環境🏠

家庭で安心できる環境を整えることが、外の世界での安心感にもつながります。
リラックスできる空間でこそ、子どもはがんばりエネルギーを充電することができます。


場面緘黙の子に学校・園ができること

学校や園も、子どもが安心して過ごせる場を作ることが大切です。

  1. リラックスできる環境作り
    緊張を和らげるために、子どもが落ち着ける環境を作ります。無理に発言を求めるのではなく、表情やジェスチャー、指差し、絵カードなど、非言語コミュニケーションから練習していくことが大切です。
  2. 徐々に慣れるサポート
    少人数の活動からスタートし、子どもが自信を持てるよう少しずつステップアップを支援します。
  3. 理解を広げる
    教職員やクラスメートに対して、保護者や本人の承諾の上、場面緘黙について理解を促すことも重要です。子どもが安心して過ごせるよう、周囲の配慮を呼びかけます。

最後に

場面緘黙は、親や学校の理解と支援があれば、改善できると信じています🍀

子どもを急かさず、安心感を大切にして接していきましょう。
その一歩一歩が、子どもの成長につながると信じています。

【参考文献】

最後までお読みいただき、ありがとうございました✨
いつも、記事を読んでくださり本当にありがとうございます。

スキ・フォローとても励みになっています🍀

この記事を読まれた方が、
少しでも『場面緘黙』について理解を深めていただき、
少しでも参考になれば嬉しいです🌈

今後もできる限り有益な記事を書いていきますので
よろしくお願いします。

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