記憶とは、経験や学習を通じて得た情報を保存し、必要に応じて再生する能力です。
記憶は、日常生活や学習、仕事のあらゆる側面において欠かすことはできません。
記憶のメカニズムは、大きく分けると
「感覚記憶」
「短期記憶」
「長期記憶」
の3つの段階に分類することができます。
今回は、以下の文献を参考に、それぞれの記憶の特徴とその働きについて一緒に学び、自分の得意な覚え方について探っていきましょう💪
【参考文献】
感覚記憶
感覚記憶は、外界から受け取った情報を一瞬のうちに保持する最初の段階です。この記憶は非常に短い期間しか持続しませんが、大量の情報を処理することができます。
感覚記憶には、
👀視覚情報を保持する「アイコニックメモリー」
👂聴覚情報を保持する「エコーイックメモリー」
があります。
アイコニックメモリー
アイコニックメモリーは、視覚情報を非常に短い間(約0.5秒以下)保持します。例えば、一瞬だけ見た景色や文字列などがこれに該当します。アイコニックメモリーの役割は、次の段階である短期記憶に情報を送るための一時的な保持です。
エコーイックメモリー
エコーイックメモリーは、聴覚情報を数秒間保持します。これにより、話し言葉や音楽などの情報を一時的に保存し、次の段階に送ることができます。例えば、誰かが話しかけてきたときに、その内容を一瞬で理解できるのはエコーイックメモリーのおかげです。
短期記憶
短期記憶は、感覚記憶から受け取った情報を一時的に保持し、操作するための記憶システムです。短期記憶は、数秒から数分程度の間情報を保持することができます。
短期記憶の容量は限られており、一般的に「マジカルナンバー7」として知られる7±2チャンクの情報単位を保持できるとされています。
ワーキングメモリー
短期記憶は、情報を一時的に保持するだけでなく、
その情報を操作する能力「ワーキングメモリー」も持っています。
ワーキングメモリーは、問題解決や意思決定、学習などの認知活動において重要な役割を果たします。
例えば、電話番号を覚えながらダイヤルする、計算問題を解くなどの場面でワーキングメモリーが活躍します。
忘却と記憶保持
短期記憶の情報は、次の段階である長期記憶に転送されない限り、短時間で忘却されてしまいます。情報が短期記憶から長期記憶に移行するためには、繰り返し(リハーサル)や深い処理が必要です。
例えば、新しい単語を覚えるためには、その単語を何度も繰り返し使用することが重要です。
👀目で見て覚えるのが得意なタイプ
👂耳で聞いて覚える方が得意タイプ
があり、自分の得意な記憶(短期記憶→長期記憶へ貯蔵)するための方法を探ること、より多くの感覚を活用することで、覚えやすくなりますよ💪
〈例〉
英単語を「書き✏️」ながら、「口で発音👄」して「聞いて👂」「見て👀」覚える、など
長期記憶
長期記憶は、情報を長期間にわたって保持する記憶システムです。
長期記憶は、数分から数年、さらには一生涯にわたって情報を保存することができます。長期記憶は容量が非常に大きく、理論上無限の情報を保持することが可能です。
長期記憶は、さらに「宣言的記憶」と「非宣言的記憶」の2つに分類されます。
「宣言的記憶」→ 言葉で説明できる知識や経験の記憶
「非宣言的記憶」→ 言葉で説明しにくい技能や習慣の記憶
宣言的記憶(言葉で説明できる知識や経験の記憶)
宣言的記憶には、
「エピソード記憶」
「意味記憶」
の2つのタイプがあります。
「エピソード記憶」
自分の経験や出来事の記憶。
例えば、昨日見た映画の内容や友人との会話などがエピソード記憶に含まれます。
「意味記憶」
一般的な知識や事実の記憶。
例えば、「東京は日本の首都である」という知識や、数学の公式などが意味記憶に含まれます。
非宣言的記憶(言葉で説明しにくい技能や習慣の記憶)
非宣言的記憶には、
「手続き記憶」や
「プライミング効果」などが含まれます。
「手続き記憶」
自転車の乗り方やタイピングの方法など、身体で覚えた技能や習慣の記憶
「プライミング効果」
以前に経験したことが無意識に影響を及ぼす現象。
例えば、ある単語を見た後に、その単語に関連する別の単語を思い出しやすくなることがプライミング効果の一例です。
「リ○ゴ」→ 「リンゴ」
「🍎」 → 「リンゴ」
記憶の保持と忘却
長期記憶は、短期記憶から情報が移行し、繰り返しや関連付けを通じて強化されることで形成されます。しかし、長期記憶も完全ではなく、時間の経過とともに忘却が起こります。忘却は、情報が消失するだけでなく、干渉や取り出しの失敗によっても引き起こされます。記憶を保持するためには、定期的な復習や再確認が重要です。
記憶の検索
長期記憶に保存された情報は、必要なときに取り出す「検索」プロセスを経て利用されます。この検索プロセスは、いくつかの要因によって影響を受けます。
例えば、記憶に関連する手がかり(キュー)が存在するかどうか、またはその手がかりがどれだけ強力であるかが重要です。
できる限り、複雑な処理をした方が、記憶に残りやすい
という研究があります。
ただ単に覚えるよりも、学習した時の場所や環境、エピソードなども合わせて記憶しておくと、検索しやすくなることがあります。
皆さんにも経験ありませんか?(この単語は、〇〇先生が面白おかしく説明してくれたなど)
記憶検索は、
再認(recognition)と
再生(recall)
の2つの方法に分けられます。
再認は、
情報を見たり聞いたりして、その情報が以前に学習したものであることを認識するプロセスです。
例えば、選択肢から正しい答えを選ぶ場合がこれに該当します。
再生は、
手がかりが少ない状態で情報を思い出すプロセスです。
例えば、テストで短文を書いたり、自由回答で答える場合がこれに該当します。
記憶検索は必ずしも完璧ではなく、記憶の取り出し失敗が起こることがあります。これには「先行干渉」と「後行干渉」が影響を与えます。先行干渉は、古い情報が新しい情報の検索を妨げる現象です。例えば、新しい電話番号を覚えようとするときに、以前の電話番号が思い出されることがあります。後行干渉は、新しい情報が古い情報の検索を妨げる現象です。例えば、最近覚えたパスワードが、以前のパスワードの思い出しを難しくすることがあります。
検索に成功しやすくするためには、
情報の整理と手がかりの強化が有効です。
✏︎情報をカテゴリーごとに整理
✏︎視覚や音声の手がかりを使用
することで、記憶の検索を容易にすることができます。
関連する内容を繰り返し学習することで、記憶の強度を高めることも重要です💪
まとめ
記憶は、
感覚記憶
短期記憶
長期記憶
という3つの段階に分けられ、それぞれ異なる役割と特徴を持っている。
感覚記憶は、一瞬の情報を保持
↓
短期記憶は、その情報を一時的に操作
↓
長期記憶は、長期間にわたって情報を保存
これらの記憶システムは相互に関連し合って、私たちの認知活動(学習・仕事・日常生活)を支えています。
記憶のメカニズムを理解し、自分に得意な記憶方法を知ることで
より効率的に記憶できるようになると信じています✨
最後までお読みいただき、ありがとうございました✨
いつも、記事を読んでくださり本当にありがとうございます🍀
この記事を読まれた方が、
少しでも『記憶』について理解を深めていただき、少しでも参考になれば嬉しいです🌈
今後もできる限り有益な記事を書いていきますので、よろしくお願いします。
【参考文献】
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